Present ~For you,For me~

ルル誕SS
ルルスザです。
が、NLのようなBLような……?






 あれからどれくらい時が流れたんだろう。
 何年経っても…ううん、多分死ぬまで、僕はあの時を忘れない。
 君の胸を刺し貫いたあの時を…温もりを……
 苦しい息の下で、囁く様に告げられた君の「願い」…ギアスは解けていないよ。
 あれから、世界はゆっくりと、でも、着実によい方向に向って動き続けている。
 争いの種が尽きる事は無いけれど、力ではなく言葉で、それをなくそうとみんな努力している。
 僕は、「ゼロ」として自分の出来る事を全力でやってきているつもりだよ。
 ああ…そういえば今日は君の誕生日だね。
 ナナリーが、僕と一緒にお祝いをしたいと言っている。夏には、僕の誕生日も祝ってくれたんだ。
 ナナリーだけじゃない、多くの人が、君の計画を理解してくれている。
 君の望んだ様に、世界をまとめてくれているよ。



 悪逆皇帝から、世界を救った英雄「ゼロ」は、人里離れた小高い丘にある墓所に居た。
 訪れる人もいない寂れた場所にあるそこには、二基の墓が並んでいる。
 悪逆と言われた第99代ブリタニア皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアと記録にすら残らない彼の弟の墓である。
「また来るよ。ルルーシュ、ロロ。」
 死んだら、ロロの隣で眠りたい。
 ルルーシュの遺言だった。
「俺の事を本当に慕ってくれていた。最期まで俺の事を『兄さん』と呼んでくれたんだ……
そのロロを、いつまでもひとりぼっちにしておくなんて出来ないからな。」
 ルルーシュの数少ない味方……
「ロロ…君は、彼の嘘も真実も全て受け入れる事が出来たんだね。
僕は”死んでから”しか出来なかった……羨ましいよ。」
 スザクが、ルルーシュを真に受け入れる事が出来たのは、世界を手中に収めた後だった。
 もう、後は「ゼロレクイエム」を実行するだけという時になって……
その事だけが悔やまれる。
「もっと早くに君と解りあえる事が出来たら、また違った道もあったのかな……。」
 何を今更……スザクは、頭を振った。
「仮面したまま泣いているという姿は、端から見ていると不気味だぞ。」
「──煩いな……誰が、泣いているって?」
「自分で気がついていないとは。重症だな。」
「神出鬼没は君の特技か。C.C.」
 いつの間にやってきたのか。後ろからかけられた声に驚く様子も無く、ルルーシュの共犯者だった女性を振り返る。
「仮面を外して、確認してみろ。」
C.C.の言葉に従い、仮面を外す。久々に外気に触れる肌を、冬の冷たい風がなでて行く。
 にじむ視界に、自分が涙を流している事に気づいたスザクは、驚きを持ってそのしずくを指に採った。
「本当…だ。」
「呆れた奴だ。毎年毎年ここに来ては同じ事をして……。」
「僕、去年も泣いてた?」
「私は、ここに来る度、ルルーシュの墓の前で泣いているお前しか見た事が無いぞ。
そんなに後悔するくらいなら、ルルーシュを止めればいいものを……。」
「──後悔じゃない。僕は、ルルーシュを殺した事を悔いてはいない。
あれは…あの時出来た、最善の方法だった。」
「なら、何故泣く。」
「──それは……。」
 スザクは、答えに詰まった。黙り込んでうつむく彼に、魔女の目が妖しく光る。
「全く。いつまでも世話のやける連中だ。」
 そういうとC.C.は、スザクの唇に自分のものを重ねた。
「───!!」
 自分の唇に触れる、その感触を…温もりを知っている。これは……
「ルルーシュ。」
 気がつけば、そこは黄金色の世界。輝く光の中に、紫紺の瞳と黒檀の髪の青年がいる……
 そして、あの日蒼天のもと見せた笑顔で、スザクを迎えてくれた。
「相変わらず、泣き虫は治らないようだな。」
「ルルーシュ。」
 何か言わねばと思う。だが、涙の方が雄弁だった。
「スザク。」
 ルルーシュは、涙を流したまま立ちすくむスザクを、その腕の中にかき抱くと、耳元でそっと言葉を紡ぐ。
「いつでもお前の事を見ているよ。だから、安心して前に進んで行け。
いつだって俺は、お前の側にいる。」
「──うん。」


 気がつけば、C.C.の膝枕で眠っていたのか…あの日と同じ澄み切った青空が視界にあった。
「──心行くまで逢瀬を楽しんだか?」
「……ああ。」
「全くお前達は、いつまでたっても私の手を煩わせて……
一ついい事を教えてやろう。
お前が、コードに関わる血筋なのは知っているな。だから、あの時私と一緒に黄昏の間にいけた。
それが出来るお前も、Cの世界にいるルルーシュとつながる事が出来る。」
「──本当か。それは。」
「方法は教えない。自分で探せ。
もっとも、もう気づいているかもしれないがな。」
 悪戯っぽい魔女の笑みに、スザクも笑顔で応える。
「ずいぶん意地悪な言い方だね。」
「当然だ。私はルルーシュの共犯者であって、お前とは何の関係も無いからな。
今日の事も、ルルーシュに是非にと頼まれたから、してやっただけだ。」
「ルルーシュに?」
「誕生日プレゼントを強請られたからな。」
 魔女が、にやりと笑う。
 スザクも、声に出して笑った。
 本当に久しぶりの、心からの笑顔だった。


───ルルーシュ。誕生日おめでとう───






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